ロード・オブ・ザ・リング(2001) |
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Updated 2002/5/12
三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、はるか昔。闇の冥王サウロンは世界を滅ぼす魔力を秘めたひとつの指輪を作り出した。指輪の力に支配されたミドル・アースでは、エルフと人間の混合部隊がサウロンと対決する。人間のイシルドゥアがサウロンの指を切り落とし、国を悪から救うが、イシルドゥアは逆に指輪の魔力にかかり、指輪を消滅しさることができなかった。それから数千年の時を経たミドル・アース第3世紀。ホビット庄では、大金持ちで冒険家のビルボ・バギンズ(イアン・ホルム)の101歳の誕生日の祝宴が開かれていた。ビルボは、祝宴の最中に、最後の、そして戻ることのない冒険に出かけ、後継者としていとこであり養子であるフロド(イライジャ・ウッド)を指名して、友人である魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)にその後見を頼む。その時、ビルボが大切にしていた指輪もフロドの手に渡る。しかし、指輪を取り戻そうとするサウロンの部下・ナズグルたちが、バギンズの存在を知り、ホビット庄に迫っていた。ガンダルフの忠告通りにフロドは、サム(ショーン・アスティン)、メリー(ドミニク・モナハン)、ピピン(ビリー・ボイド)のホビットたちと共に庄を出、ガンダルフの知人アラゴルン(ヴィゴー・モーテンセン)や光のエルフのアルウェン(リヴ・タイラー)の助けを得て「裂け谷」に向かう。そこで、エルフとドワーフと人間たちの会議の席に、ガンダルフとフロドも出席する。世界を守るためには指輪を滅びの山の火口、“滅びの亀裂”に投げ込み破壊するしか方法はなかった。問題は、誰がその重大な使命を背負い、危険な旅に出るかということ。口論のさなか、フロドは自分が行くと宣言。フロドの勇気に、ガンダルフ、エルフ族のレゴラス(オーランド・ブルーム)、ドワーフ族のギムリ(ジョン・リス=デイヴィス)、人間からはアラゴルンとボロミア(ショーン・ビーン)が同行の意思を表明、そこにサム、メリー、ピピンが加わり9人の仲間が結成され、彼らは“滅びの亀裂”めざし、遥かなる冒険の旅に出るのだった……。 イギリスの言語学、古文学、伝承学の碩学であるトールキン教授の書いた『指輪物語』は、ファンタジーの古典として、数々の作品に多大な影響を与え、RPGの元祖としても評価されている。その待望の映画化である。原作が壮大すぎて、映画化はまず無理だと考えられてきたこの物語を、映画化したことの意義は大きい! 壮大すぎる世界観、ふと考えさせられるテーマ性…そのネームバリューに押しつぶされて原作を読んだ方は少ないとは思うが、その世界観がビジュアル化されたことで、原作に対する抵抗感がなくなり、原作に目を通した方も多いだろう。トールキンによれば、ファンタジーは現実世界のうつしであり、そこにさまざまな真実を見ることができるということだが、しかし、トールキンはこの作品に比喩の影を探ることは許していない。第2次世界大戦下に書かれたものとしても反戦を訴えているのではないのである。 さて、この映画は3部作の第1部ということで、内容としては、旅が始まったぞー!というところで終わっている。中途半端な感じは、確かに受けはしたが、あまりひどくはないと思う。すばらしい映像、音楽…美しいファンタジーの世界をあますところなく描き出しているので。ところが、ジェットコースターに連続して乗ると頭痛・胸焼けなどがするように、危機的状況の連続は、単なる観客サービスの域を超えて、ハリウッドらしい欠点を感じる。原作も緊迫の連続ではあるが、「休憩」が随所に入っているので、展開がスムーズで疲れることはない。見せ場のみを盛り込もうとすれば、下手すれば、単なる2流のアクション・ファンタジー作品だ。それでは『指輪物語』の世界観が崩れる可能性も出てこよう。おそらく、第1部を3時間でまとめることに無理があったのかもしれない。というよりは、第1部を3時間でまとめることのできなかった脚本と演出の仕方に問題があったのだろうか。なぜって、ホビット族の中では知識人であるフロドは、映画ではただの腰抜け坊やになってたり、数々の魅力的なエピソードが端折られていたのは、時間の関係上しかたないかと思えば、なんとか納得がいくし。 キャラクターに関しては、映画なりの人物設定があるのだろうけれど、サウロンよりもガラドリエル役のケイト・ブランシェットが怖かったって! 指輪の魔力にイッちゃった人物は、それなりにあぶないオーラが出ていていいんだけど。ボロミアなんてどこかかわいらしさがあるし、サルマンも変態オヤジみたいな感じで、まだ許容範囲なんだけど、ガラドリエルはなまじ美人で、「エリザベス」での影のあるイメージが印象的なだけに、かなりゾッとした。そういえば、フロドたちホビット族の深爪の指が気になって気になって…それと、アラゴルンが投げたリンゴのサイズが、いきなりホビットサイズ? とはいえ、小説やゲームでは味わえない映画ならではの迫力と人間の想像を超えた映像は、原作を知らない方でも充分にその世界観が楽しめると思う。3倍の時間(3時間×3=9時間!)でもいいから一気に作品を見たい気もしたが、3部作を観おわってから、また改めて考えたい作品だ。
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