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Last Updated 2000/11/25

質疑応答014

身分標識としての衣服:カーライル『衣服哲学』を中心に

毛利美穂に対する質疑応答

→NO.014「身分標識としての衣服:カーライル『衣服哲学』を中心に」


■ 質問

匿名希望:カーライルの『衣服哲学』の一部を取り上げて身分標識としての衣服を論じておられますが、『衣服哲学』全体を視野に入れられた方がよかったのではないでしょうか。

発表者:『衣服哲学』における衣服に対する意識はたいへん興味深く、他の文学作品との比較等も可能ですので、いずれ試みたいと思います。ありがとうございました。

匿名希望:「ダンディ」について論じておられますが、もっと詳しく教えてください。

発表者:特権階級によるダンディズム追究は19世紀を中心とするイギリス文学理解に際しても重要なことだと思います。Bulwer Lytton(1803−73)がダンディズムのガイドブックともいうべき『ペラム』(Pelham,1828)によって一躍人気作家となったことからも、当時の盛んなダンディズム追究が窺がえます。浅学のため、これ以上の言及は控えますが、ただ、カーライルが当時盛んであったダンディズムに対して批判的であったことは興味深いことではないでしょうか。

匿名希望:カーライル『衣服哲学』を中心に『魏志』倭人伝、『三国志』、『ガリヴァー旅行記』を取り上げていますが、いずれも国・文化の異なるものなので、これらを一様に扱うのはいかがなものでしょうか。

発表者:ご指摘ありがとうございます。今後は各資料の関係を充分に考慮しつつ比較検証できるよう努めます。

■ 感想等

匿名希望:分野を問わず、あわゆる文学作品を視野に入れてのご論、たいへんおもしろく読ませていただきました。特に、身分標識としての衣服の役割から『ガリヴァー旅行記』を読むその視点には、考えさせられることも多かったです。

発表者:ありがとうございます。『ガリヴァー旅行記』第4編「フウイヌム国渡航記」をはじめて読んだときは、その諸刃の諷刺に戸惑いを感じたのですが、「衣服は我等を人間とした」という文からカーライルと結びつけることができたのは幸いでした。両作品とも興味深い作品なので、これからも考えていきたいと思います。

■ 発表者から一言

貴重なご意見ご感想、ありがとうございました。今回は身分標識としての衣服の役割について論じましたが、未熟な点が目立ったように思います。さらに視野を深めていきたいと思います。

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