逆に質問します。
「どうして発表するのですか?」
この問いに答えることができれば、すでにあなたの中で解答は出ています。
発表することは、すなわち私的(内面的)・公的(外面的)な効果を期待しているからです。
私的効果としては、これまでの研究成果をまとめることでひとつの区切りをつけることができます。この区切りがなければ、結論が出ないままのだらだらとした研究になってしまうでしょう。成果をまとめ、一応の結論を導き出すことで、新たに見えてくるものもあるのです。
研究は、公表しなければ価値になりません。これが、ふたつめの公的効果です。
あなたの研究が、もしかしたら、大きな発見をもたらすかもしれません。しかしそれは、公表して、論議の中に投げ込まれる必要があります。――などと、これは少しオーバーですが、他人の意見・感想を得ることによって、自分ひとりでは気づくことのなかった新たな視点と出あうことができるでしょう。
そこで、数少ないデーターを少々。
学生の論文で、他人に読んでもらい意見を得た論文と、自分ひとりだけで仕上げた論文とでは、誤字脱字や文章の表現方法もさることながら、構成や内容の深まりに明確な違いがあらわれました。後者に比べて、前者のほうが理解しやすく、よりまとまっているのです。
論文指導の時、誰もが言われたと思います。
「一通りできたら、他人に読んでもらえ」と。